エファタ会館ことばの教室では、ことばを出すことが「運動」であることに着目し、息の出し方や舌の使い方を運動感覚でくりかえし練習する指導を行っております。これは、エファタ会館の言語聴覚士が50年間にわたり1万人以上のお子さんを指導してきて効果があったやり方だからです。
エファタ会館での練習のほかにご家庭でもたくさん練習をしていただいていますが、その中でも特に効果がありご自宅で簡単に遊び感覚でできる練習をまとめたのがこの本です。

- ことばが出ない
- ことばが遅い・少ない
- ことばがつながらない
- 言いたいことがことばにならない
- 意味のあることばが話せない
- 聞こえにくいため、ことばがはっきりしない
- 自分の要求を伝えられない
- ことばでやりとりができない
- 発育センターで「様子を見ましょう」と言われたが変化がない
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話すときにことばがつかえたり
つまったりする(吃音) - もうすぐ小学校に行くのにしゃべれない
「 発語がない 」「 発語が少ない 」お子さんは、音声を出す基本機能が弱いことが多く、 息や声を出す力をきたえる ことで、ことばを言いお話しできるようになります。
ですから、あきらめる必要はありません。根気強く練習していくと 必ず発声や発語ができるようになる ものです。
お子さんには 皆ことばを発する力が備わっています 。 毎日お子さんに接する お父さんお母さんがお子さんの力を信じて育み続けること 。これが最もパワフルな栄養剤です!
練習を重ねることで、会話ができるまでに成長した例を紹介します。
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発語はなし。単音(あ・お)の口まねができていました。
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呼気を10 秒続けて出せ、「やったー」などの単語のまねが増加!
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「食べたい」など自発的なことばが出てきました。
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「お茶を飲んだ」など助詞の入った二語文を言えるように。
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11か月後には三語文、13か月後には四語文が自発的に出てきて、小学校高学年では会話に困ることはなくなりました。
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ご家庭でも出来る遊びの一部を、ご紹介します。
道具を用意して、お子さまとゆっくり・楽しく遊んでみましょう。
書籍では注意点と指導方法についても詳しく紹介しています。

- 使う道具
- ラッパ、呼び笛(大小)
- 遊びのヒント
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小さいラッパを上手に吹けるようになったら、大きいラッパを吹かせてみましょう。
強く吹く力がついたら、呼び笛を吹かせてみましょう。

- 使う道具
- 少し離れた所に父、母、兄弟、姉妹にいてもらう。
- 遊びのヒント
- 家の中では1階と2階の距離や、廊下の端から端を活用できます。かくれんぼをして「オーイ」と呼んで隠れている人を探し、隠れている人は「ハーイ」と返事をしてあげましょう。

- 使う道具
- コップ1個、きれいな水
- 遊びのヒント
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お風呂場なら、からだに水がかかっても大丈夫。
しかし、からだは時々お風呂で温めるようにしましょう。
水面に直接口をつけて吹くお子さんもいます。怒らないで息出しを楽しんでもらいましょう。
『発語をうながす40の遊び』では以下のような内容に触れながら
お子さまの発語をうながす遊びを紹介しています。

- 詳細
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- ページ数:52ページ
- サイズ:B5
- 厚さ:5mm
音声でのことばが欲しい!!!エファタ会館にいらっしゃったお母さんからの切実な声です。こういう思いを持ったお母さんや家族の方が、エファタ会館には来られます。「何か、一言でいいですから、ことばを言って欲しいのです。何もことばを出してくれません。手で私を引いて行って眼で何が欲しいのかを知らせるので、簡単なことはわかるんですが、口では言ってくれないのです」。「もう8歳になります。何とか、お話ができるようにしたいのです。言語聴覚士さんなら、きっとことばを出してくれる!!」そういう心からの期待を持って来館なさる家族の方々の気持ちに、何としても応えたいと思って努力してまいりました。
―――――「こんな方法もありますよ。」
―――――「こんな風にしてみたら、発声をうながせましたよ。」
たくさんの方法をこの本で紹介しますので、是非、気軽に、まず、やってみてください!お子さんは皆伸びる力を持っています。だから、大人が苦しんで、気にしつつ、でも、放置してしまうのでは、お子さんに申し訳ないし、もったいないと思います。伸びる力を信じて、やってみましょうよ。根気強く、くり返し。楽しみながら、がポイントです。私ども言語聴覚士は、少しでも協力したいという気持ちで、この本を書きました。
(「はじめに」より)